歯科衛生士のイメージ

歯科衛生士の「お口の中の気になる話」

 皆さん、歯科の治療で
『今、どんな治療をやっているんだろう?』
『どうやって治すんだろう?』と疑問や不安に感じたりしたことはありませんか?

それでも、『聞いたけどよくわからなかった。』
『説明を聞いたそのときはわかったつもりでも、後でまたわからなくなった。』
『もう一度、聞いてみたいけど何度も聞いたら悪いから聞きにくい。』
『どうせ聞いても、先生の説明は専門的過ぎてよくわからない。』といった思いで、
そのまま何だかわからないうちに治療が終わってしまったなんてこともあるのではないでしょうか?

このコラムでは、歯科衛生士が患者さんの目線で、お口の病気や歯科の治療法について簡単にわかりやすくご紹介していきます(リクエストもお待ちしております!)。

第一回 白い歯でイメージアップ

 TVや雑誌で活躍しているタレントやモデルに口元のキレイな方を多く目にします。美しい口元や白い歯からは清潔感や若々しさ、スポーツ選手にはヒーローぶりさえも伝わってきます。

歯の色はなぜ違う?

 『私の歯は黄色いけど、彼女の歯は白いのはどうして?』という質問を耳にすることがあります。歯の色にはその構造が関係しています。
目に見える一番外側のエナメル質は半透明の乳白色、その内側の歯の本体である象牙質は薄い黄色や黄褐色、中心部分の歯髄は血管が集まった赤色をしています。(図)

歯の色 歯の色は、これらが混ざり合った色をしているのです。エナメル質の石灰度が高いほど透明度が増し、内側の象牙質の黄色が目立つようになり、虫歯になりにくい硬いエナメル質の人ほど黄身がかって見える傾向があります。
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しかし単なる歯の色だけでなく、肌や唇の色の濃い人では白っぽく見え、肌色の薄い人では黄味が強く感じられるように、顔周囲の相対的な関係で同じ色でも違って見えることもあります。(写真)

歯の白さ

肌の色が白い(左)より濃い方(右)が歯の白さがより際立つことがある。

また、誰でも加齢により象牙質の色が濃くなることで歯が黄色く変色していきます。他には歯の変色の原因については次のようなものがあります。

歯の色は変わる?

 歯の変色や着色には以下のようなものがあります。

1.歯垢や歯石などの細菌物質が付着して、歯面全体が黄ばんで見える。
2.カレーや紅茶・コーヒー・ワインといった色素や、タバコのヤニなどが歯の表面に沈着。
3.虫歯そのものの色が茶色や黒色にみえる。
4.虫歯治療での詰めたレジン樹脂の経年的変色。詰め物やかぶせ物の金属イオンの沈着。
5.かみ合わせの影響による歯の磨耗や、あるいは磨き過ぎによってエナメル質が薄くなり、
  象牙質の色が強く出る。
6.虫歯の治療で神経を取ったあとや、歯を強くぶつけたことで歯の神経が死んでしまったりすると
  象牙質に栄養が行き渡らずに茶色く変色。
7.テトラサイクリンという抗生剤を母親が妊娠中に服用したり、乳幼児期に長期服用したりすると
  象牙質が変色し歯の色が濃くなったり、縞(しま)模様が出来る。
8.乳幼児期に、エナメル質の形成が不完全な疾患のために透明感のない歯になる。

どうしたら綺麗な色になる?

 最近、「歯が白くなる」ということで『ホワイトニング』という技術が有名になって広く行われるようになりました。 でも歯の色に悩んでいる人全てが、ホワイトニングで悩みが解決するのでしょうか?

変色・着色の原因によって対処法が異なります。ご自分で気になっている歯の色の原因を正しく調べてもらって、適正な処置を受けるようにしましょう。

  • 上記の1と2の対策としては、
    スケーリングと呼ばれる歯垢・歯石取りを受けていただき、さらに ポリッシングという着色落としやPMTCと呼ばれるクリーニングを受けていただくと効果的です。普通の着色だけならポリッシングで大抵きれいになります。PMTCには非常に粘着度の高いバイオフィルムという細菌膜を除去する効果もあり、歯垢・歯石の再付着を遅らせます。
  • 3の対策としては、虫歯の適切な治療を受けましょう。
  • 4の対策としては、
    レジン樹脂はどうしても時間とともに変色しやすいので、あまりにも目立つようなら交換することをお薦めします。
    詰め物やかぶせ物の金属イオンの沈着は、金属イオンの流出の少ない高品質の金属、あるいは金属を使わないセラミックに交換します。
  • 5の対策としては、
    エナメル質が減って、黄色く見える象牙質にレジン樹脂を詰めます。歯ぐきの後退が伴っている場合は、歯ぐきの手術で象牙質を覆ってしまう方法もあります。
  • 6の対策としては、
    壊死した神経が残っている場合は、神経を除去してもらいましょう。その後にホワイトニングという漂白処置を受けてください。神経を除去せずにホワイトニングを受けることもできますが、神経の壊死組織自体が着色原因にもなりますので除去を受けた方が確実性は高くなります。 ただし虫歯部分が多く、健全な歯質が少ない場合はセラミック系のかぶせ物(いわゆる“差し歯”)を装着した方がいいでしょう。
  • 7と8の対策としては、
    ホワイトニングでは難しくなってきます。テトラサイクリンによる縞(しま)模様は少しは白くなりますが、縞(しま)が消えるわけではありません。縞(しま)のない部分と同じ明度の白色にはなりません。
    エナメル質の形成が不完全な方には、ホワイトニングに使う漂白剤は歯質をさらに弱体化させてしまいます。
    いずれにせよ確実性の高いのは、セラミック系のかぶせ物、あるいは歯の表面だけを最小限に削って貼り付けるラミネートベニアを装着する方法となります。

 美しい口元は、歯の色だけではなく健康で引き締まった歯ぐきも大事ですね。いくら白い歯でも歯ぐきがブヨブヨで真っ赤、あげくに口臭でもしたらイメージダウン。
 次回は、歯ぐきや歯周病についてわかりやすくご説明します。

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